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2023年度大阪府看護協会
市北支部研修会研修報告

大阪府看護協会市北支部では、9月2日（土）にZOOM配信によるオンライン研修を開催いたしました。昨年度のテーマ「各機関の災害時の取り組み」をふまえ、この度は2018年の大阪北部地震での体験や教訓を講義していただき、いざというときの備えや、日々の連絡体制の整備等の必要性を再認識させていただきました。

「発災時は、患者・家族及び職員等の安全を最優先することが大切、全職員で連携し病院機能を最大限活かす」　病院長・看護部長・事務部長で毎日ミーティングを行い、情報共有を行っているそうです。

山本真紀講師から、地震当日は職員や利用者の安否確認に始まりましたが、マニュアルはなく、日常業務を一時休止し過去の震災の教訓から、可能な限り2人体制・長靴持参で連絡の取れない利用者や医療依存度の高い人から訪問を開始しました。災害に備えて自宅の食器棚などに突っ張り棒の設置を行っていない家庭も多く、飛散物の片付けに追われ業務の開始が遅れたこともあったそうです。

震災2週間で西日本豪雨が発生。自宅の損傷のため避難生活が長期化し、ストレスや猛暑による体調不良者も多く、対応するための保健師の確保が必要でした。職員の体調面の配慮をしつつ、災害時保健活動の経験が、人材育成の機会となるよう体制を整えることも必要です。

ご講義のあと、講師の方同士で質疑応答がありました。

澤田講師から中山講師への人材育成について質問では、新人オリエンテーションや災害に関する研修会を開催。また各部署に災害委員を設置し定期的に会議を行い情報共有していると回答されました。
中山講師から山本講師には、個々のステーションで途切れない訪問のための工夫について質問がありました。まだ１度も稼働していないが、訪問看護協会ステーションへ加入しているのは半数ほど。未加入では災害時に状況が全くわからない状態になるため参加を促しており、顔の見える関係性が大事。と回答されました。

アンケート結果

研修参加者132名　　アンケート回収率35%

研修内容で印象に残った内容

• 災害はいつ起こるか、被害は時間帯や規模によっても異なり、日頃からの準備と訓練が必要と学んだ。
• 情報の伝達経路や正確な情報を簡潔に伝えることも、普段の業務の中でも考えていくことだと感じた。
• 地域全体で連携を取り顔の見える関係作りの必要性、被害の状況をタイムリーに記録しておくことを学んだ。
• 災害時、家族や利用者との連絡がスムーズにいかないこと、スタッフ間でのコミュニケーションエラーなど、急な事態でみんながパニックになっている中での対応になる。アクションカードなどを用いたり、定期的な訓練をしてスタッフが冷静に対応できることが大切だと思った。
• 災害時は平時以上のことはできないという言葉が印象に残り、それを踏まえ災害対策を考えることを学んだ。